蒜山自然再生協議会

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【山焼き追加編】美しい草原は大迫力の炎によって創られる! 蒜山高原の山焼きボランティア体験レポート④

2024.05.02

「【山焼き本番編②】美しい草原は大迫力の炎によって創られる! 蒜山高原の山焼きボランティア体験レポート③」から続く

<4/13|初回の山焼きに魅せられ、再び山焼きに参加!>


当初、私は4/6の山焼きだけに参加する予定でした。

しかし、家に帰って1日寝ると、謎に「山焼きしたいな」という気持ちになりました。

4/6の山焼きが、想像以上に楽しかったのでしょう。

さっそく翌週4/13の山焼きに申し込みました。

今シーズン3回目となる山焼きは、蒜山の草原の中でも、特に生物多様性が豊かな斜面を焼きました。

4/6に比べると、焼く範囲はかなり小規模です。



ボランティアは斜面の上から、左右の尾根に沿って進行。

今回は私も最前線に立ち、防火活動を行いました。

指示されたラインに水を撒き、炎が燃え広がらないようにしていきます。

試しに炎に近づいてみると、思ったよりも熱い。

でも炎は私の方ではなく、斜面を下る方向に燃えていくので大丈夫。

炎を監視しながら、少しずつ斜面を下っていきます。



斜面を下り終えたら、斜面全体が燃えるパノラマビューを見ることができました。



少し経つと動画のように、斜面全体が黒焦げに。

面積も狭かったので、この日の山焼きはお昼前には終了しました。

2回目の参加は勝手がわかっている分、初回より楽しかったです。

「ちゃんと燃えてくれるかな?」と、終始ドキドキしていました。

そして、この黒焦げの草原がこの後どのような変化を見せるのか、気になっている自分がいました。


<風景をつなぐ>


「蒜山高原には美しい草原がある」という情報は、今やさまざまなメディアに掲載されています。

しかし、その草原は、人々の暮らしの中で創られ、大切に受け継がれてきたものです。

そこにしかいない貴重な動植物、そこでしか見られない素晴らしい風景。

これらは、お金を払えば手に入るものではありません。

人々が協力して、地道な活動を重ねることで維持されてきたものです。

もし山焼きが途絶えてしまうと、この感動的な風景は、貴重な動植物たちは、儚くも失われてしまうでしょう。

驚くべきことに、かつての山焼きは、蒜山三座を丸ごと焼いてしまうほど、大規模に行われていたようです。

しかし、山焼きが行われなくなった今、かつて草原だった場所の多くは森林になっています。

「森林が悪い」というわけではありませんが、森林になった場所では、草原の生態系は失われています。

今や草原は、蒜山高原を象徴する風景の1つです。

蒜山でしか味わえない感動を、私たちにもたらしてくれます。

この素晴らしい風景を次世代につなぐために、貴重な生態系を維持・再生するために、私は今年1年、草原の再生活動を追ってみようと思います。


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◆ライタープロフィール:藤本一志

真庭市交流定住センターのセンター長として、真庭市への移住サポートをしながら、個人で講演活動、Webライティング、農業などに取り組む。真庭市の暮らしや移住、観光情報を発信するブログ「真庭通信」を運営中。

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