真庭市地域おこし協力隊

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津黒の炭焼き

昨年10月~11月にかけて、津黒いきものふれあいの里で毎年行われている炭焼きのお手伝いをしました。
 
炭に焼くのは、この地域の里山を代表する樹種であるコナラの木。。中和のフリー林業家・和田さんが伐倒した大木を、長さ90㎝に切りそろえ、集めます。肌寒い季節ですが、あっという間に身体はホカホカに。
 
こんな立派な丸太は、あとで薪割り機で太さもそろえます。
 
90㎝に切りそろえた“立て木”を、炭窯に奥から順に立てて並べていきます。コツは太い方を上にすることと、木が倒れないように全身で抑えながら、なるべく隙間なくつめること。立て木の上にも短い木(“モヤ木”と呼ぶ)を詰め込みます。
最後の入り口部分には、特大の丸太を入れて防火壁とします。

ここから左官仕事。園内で採取した粘土を水と混ぜ、足でよーく練ります。前年の、焼しめられた粘土を3割ほど混ぜ、硬さを調節します。

窯の入り口に、耐火レンガで壁を積み上げていきます。レンガ1つ分の空気穴を残して窯を塞ぎます。高温と衝撃に耐えるように、慎重に厳重に。
 
その手前に燃焼室を作ります。焚き木を投入する可動式の入り口も作ります。想像以上に複雑な造り! 丸1日乾燥させ、ひび割れを丁寧に塗りつぶします。
 
いよいよ点火! 大量の焚き付けを入れて、一気に燃やしていきます。1時間ごとに薪を追加。真っ赤な燠が燃え盛っています(適宜かき出して、おいしい焼き芋を作ります)。
 
昼夜2日間焚き続けると、窯の中の温度が300℃を超え、外から熱を加えなくても勝手に温度が上がっていく状態になります(自発炭化点)。焚き口を塞いで1週間待ちます。
 
最後に、短時間空気を入れて窯内の温度を一気に800℃以上に上げる“サエシ”という工程を経て、焚き口も煙道口も完全に密封します。良い炭ができたかどうかは、窯を開ける瞬間までわかりません。2021年の炭焼きは1サイクルだけだったので、開封は春になってのお楽しみ。

完成した炭は、ふれあいの里でバーベキューをする人向けに販売されていますが、これだけの労力と手間ひまをかけて、100%公園内の木から作られた貴重な炭であることを、いったいどれだけの人が知っているでしょうか…。
 

私は移住前に、関西の北摂地域の炭焼き活動に参加していたのですが、今回体験させてもらった中和の炭焼きと共通する部分もあれば、まったく違うやり方部分もあり、非常に興味深かったです。力仕事をこなした後、世代を越えて会話がはずむのは、大阪も真庭も変わらないようです。
 
 
ほんの半世紀ほど前まで、炭焼きは山里である中和の大事な収入源でした。さらに昔、たたら製鉄の時代にも、大量の木炭が必要とされました。ふれあいの里の炭焼きメンバーは、一世代前の、なりわいとして炭を焼いて売っていた古老たちから、炭焼きの技法を直に習っています。そして今、次の世代にその技を残すために、作業工程や窯の温度変化を細かく記録しながら炭を焼いています。
 
複雑な構成の有機物である生木が炭になる過程では、何段階もの化学変化が起きます。昔の人は、それを煙の色や匂いの微妙な変化で判断していました。炭焼きの魅力の一つは、伝統と科学の要素が分かちがたく結びついているところではないでしょうか。
 
燃料としての炭じたいが、大昔からの素材であると同時に、再生可能な未来のエネルギーとも言えます。コナラのような里山の木は、定期的に人が伐ることで、森の新陳代謝を促してきた側面もあるのです。
 
この面白さを、もっと多くの人に知ってもらいたいし、体験してもらいたい。今後に向けて、やりたいことがいろいろ浮かんできました。
完成した炭は、ふれあいの里でバーベキューをする人向けに販売されていますが、これだけの労力と手間ひまをかけて、100%公園内の木から作られた貴重な炭であることを、いったいどれだけの人が知っているでしょうか…。
 
私は移住前に、関西の北摂地域の炭焼き活動に参加していたのですが、今回体験させてもらった中和の炭焼きと共通する部分もあれば、まったく違うやり方部分もあり、非常に興味深かったです。力仕事をこなした後、世代を越えて会話がはずむのは、大阪も真庭も変わらないようです。
 
 
ほんの半世紀ほど前まで、炭焼きは山里である中和の大事な収入源でした。さらに昔、たたら製鉄の時代にも、大量の木炭が必要とされました。ふれあいの里の炭焼きメンバーは、一世代前の、なりわいとして炭を焼いて売っていた古老たちから、炭焼きの技法を直に習っています。そして今、次の世代にその技を残すために、作業工程や窯の温度変化を細かく記録しながら炭を焼いています。
 
複雑な構成の有機物である生木が炭になる過程では、何段階もの化学変化が起きます。昔の人は、それを煙の色や匂いの微妙な変化で判断していました。炭焼きの魅力の一つは、伝統と科学の要素が分かちがたく結びついているところではないでしょうか。
 
燃料としての炭じたいが、大昔からの素材であると同時に、再生可能な未来のエネルギーとも言えます。コナラのような里山の木は、定期的に人が伐ることで、森の新陳代謝を促してきた側面もあるのです。
 
この面白さを、もっと多くの人に知ってもらいたいし、体験してもらいたい。今後に向けて、やりたいことがいろいろ浮かんできました。

 

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