蒜山自然再生協議会

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イベントレポート|初夏の草原ワークアウト2024 その①

2024.07.12

毎年4月、枯れ草を燃やす「山焼き」が行われる蒜山の草原。

この草原は、人々が草原の草を刈って、その草を田畑の肥料や牛馬の餌として利用する中で創られ、受け継がれてきたものです。

そして、サクラソウやフサヒゲルリカミキリをはじめとする珍しい動植物の宝庫となっています。



今までは地元の人々によって維持されてきた草原ですが、近年は蒜山自然再生協議会やボランティアによって維持されています。

2024年も4月に山焼きを終え、草原は少しずつ夏の様相に様変わりしています。

▲2024年の山焼きの様子

本格的な夏を迎える前にやっておきたいことが、草原の草刈りです。

この記事では、筆者が蒜山の草原で草刈りをしたときの様子をお伝えします。

「人の手が入ることで、美しい草原の景観が受け継がれている」と感じていただけると幸いです。

◆前回の記事はコチラ
美しい草原は大迫力の炎によって創られる! 蒜山高原の山焼きボランティア体験レポート

◆ライタープロフィール:藤本一志
真庭市交流定住センターのセンター長として、真庭市への移住サポートをしながら、個人で講演活動、Webライティング、農業などに取り組む。真庭市の暮らしや移住、観光情報を発信するブログ「真庭通信」を運営中。

<どうして草原の草刈りが必要なのか>


山焼きで1度リセットしたのに、わざわざ草を刈る必要ってあるの?」と疑問に感じませんか?

実は私も、最初はそのように思っていました。

冒頭でも述べましたが、蒜山の草原には、サクラソウ(岡山県希少野生生物保護条例指定種)やフサヒゲルリカミキリ(環境省の種の保存法による国内希少野生動植物種指定種)など、希少な動植物が数多く生息しています。

これらの草原特有の動植物を保全するには、山焼きだけでなく、昔から伝統的に行われている初夏の草刈りが必要です。

理由は以下の図のとおりです。



蒜山の草原は人が手を入れることで創られた生態系なので、人の手が入らなくなると植生が大きく変わってしまい、草原特有の生態系が失われてしまうのです。

とはいえ、蒜山の草原は広大な面積を誇ります。

2024年に蒜山自然再生協議会で山焼きを実施した面積は、なんと60ha(蒜山全体で89ha)!!

草刈りを行うのはこのうちの3.5haですが、それでも甲子園球場に匹敵する面積です。

そんな広大な面積を草刈りするには、多くの人手が必要です。

そこで蒜山自然再生協議会が「草刈りイベント」という形で参加者を募集!

草刈機を使って、参加者全員で広大な草原に挑みます!

ただし、草刈機が使えない方は、ユウスゲ(詳しくは後述)のあるところに竹の杭を立てて誤伐回避の目標にしたり、ユウスゲの密度が高く草刈機では刈り辛い場所を、鎌で丁寧に刈ります。

時期は毎年6月上旬から中旬。

私も草刈機を持参し、ひたすらに草を刈ってきました。

<草刈りイベント「初夏の草原ワークアウト2024」の概要>

ここで、2024年の草刈りイベント「初夏の草原ワークアウト2024」の概要を紹介します。

◆実施日:6月1日(土)、2日(日)、4日(火)、6日(木)~9日(日)、11日(火)

◆時間:午前・午後の2部生・休憩あり
平日:9:30〜12:30、13:30〜16:30
土日:8:00〜12:00 、13:00〜17:00

◆参加費:無料
◆申込方法:WebフォームまたはE-mail

私はWebフォームで申し込みを済ませ、6月1日の午前に参加しました。


▲イベントチラシはこちら(クリックするとPDFが開きます)

◆◆◆
イベントレポート|初夏の草原ワークアウト2024 その②に続く

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