福圓寺(ふくえんじ)
社地区に現存する唯一の寺院。仁和寺による支配拠点
福圓寺 -ふくえんじー
京都の仁和寺が本山で、真言宗御室派の寺院です。中世(1000~1600年ごろ)は、仁和寺の現地管理のための場所でした。社地区で唯一現存する寺院となっており、地域の拠点寺院として存在し続けています。社の中でも最も見晴らしの良い場所にあり、年貢を集めて、検査して京都に運送する出発点になっていたと考えられています。
戦前に発行された『湯原町誌』には、大きな茅葺屋根を有し、丘の上に建つ福圓寺の姿が掲載されています。現在のように樹木が繁茂しておらず、遠くからでも明確に寺院を見ることができ、福圓寺が視覚的にも宗教的権威であったこと、仁和寺の権威を主張するには最適な立地であったことがよくわかります。
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